道徳「葛藤場面」「正しさと弱さ」
前回の記事では、葛藤場面の「両方の正しさ」について書きました。
今回は、「正しさと弱さ」について書きたいと思います。
例えば『ブランコ乗りとピエロ』
http://cms.saga-ed.jp/hp/downloadAttachFile.do?ATTA_FILE_NM=201406180821051403047265882.pdf
葛藤場面としては「許す」か「許さない」かとでもしましょう。
「許す」としたときには、
①サムも一生懸命に頑張っている。
②サムをお手本にしたいと思えるほど、サムの努力が伝わってきた。
③サーカスが盛り上がった。
④お互いを認め合った方が、よいサーカス団になるはずだ。
「許さない」としたときには、
⑤自分勝手なことをしほてしくない。
⑥サーカス団の輪が乱れる。
⑦私も目立ちたかった。
⑧自分こそがスターだと思っていたのに。
例えばですが、このような考えが出ると予想されます。
①②は「一生懸命」「努力」「認める」
③④は「責任」「協力」「高め合い」
⑤⑥は「自分勝手は許さない」「非協力的は許さない」
⑦⑧は「自己中心的」「傲慢」
といった道徳言葉に置き換えられます。
この場合、①~⑥は「正しさ」であり、⑦~⑧は「弱さ」であると言えます。
道徳では、この「弱さ」を理解することも重要だと思います。
葛藤場面では、自分がピエロだったらサムを「許す」か「許さない」か、、、と立場を決めて、一方の意見を発表させるのではなく、
『両方の立場を全員に考えさせたい』と思っています。
この葛藤場面で「許さない」という意見の児童は、(授業の進め方によっては)ややもすると、「自分の考えは間違っている」と思ってしまう可能性があります。
なぜならば、ストーリーは「ピエロがサムを許す」という流れだからです。
このようなことが続くと
「またこのパターンか。このあとの話が~~~ってなっていくから、こっちの立場になって発言すればいいんだな。」とか「あー、このパターンだと、あっちの立場を選ぶ人が少なくて、先生が困るかもしれないから、本当はこっちの立場だけど、あっちの立場になって発表しよう。」なんて考える子も出てくる可能性があります。
こうなっては、本末転倒だと思います。
(ある意味、ものすごく忖度する力が付いている。)
人間には「正しさ」も「弱さ」もあります。
そのどちらも、考えられるような人に育ってほしいなと思っています。
さらにさらに、葛藤した後に、
「ピエロはサムを許すことにしたね。どの道徳が一番大切だと考えたのかな?」
なんて進めてみてもいいかもしれません。
このあたりについては、また別の機会に書きたいと思います。
さてさて、葛藤場面に話を戻します。
この葛藤場面ですが、「時間の都合で片方しか考える時間が取れないよ!どうすればいいの?」という状況もあると思います。
では、道徳の予習ってのはどうでしょうか!
ん?道徳の予習って、何をすればいいの??
はい!本文を読んでくるだけでも違いますよ!!
さらに!!「道徳みつけ」「道徳さがし」をするとより効果的ですよ!!!
え?何それ??
ふふふっ♪