道徳「道徳読み」

前回の記事に、

 

>それから、登場人物が悪いことをしてしまったとき。

>子供たちは青線を引くでしょう。

>では、なぜ登場人物は悪いことをしてしまったのだろう?

>登場人物はどんな気持ちだったのだろう?

>と聞くと、登場人物の気持ちを理解しようと考える意見も出ます。

>相手の立場に立った考えが聞こえてきます。

 

ということを書きました。

 

 

具体的な実践例でも書き残したいと思います。

 

4年生の資料『雨のバスていりゅう所で』という資料。

 

よし子が、お母さんと一緒におばさんの家に出かける日のこと。雨が振っていて、おみやげの入った袋がぬれてしまいます。バスの停留所の近くでは、軒下で雨宿りをしている人がいます。さぁ、遠くにバスが見えました。よし子は、停留所の一番前に並びました。

 

という内容で始まるのですが、

この場面で発問をするとしたら、おそらく、

「このときのよし子の気持ちは?」というのが一般的だと思います。

そうすると、子供たちからは、

「ぬれたくない」「早く座りたい」「やっと来た」という反応が

返ってくると思います。

 

 

さて、道徳みつけをすると、この場面に対して、

ほとんどの子が「悪い道徳」と判断するでしょう。

 

「では、みんなが悪いと判断できることなのに、

なぜ、よし子は、列の一番前に並んだのだろうか?」

と発問をすると、上記の内容に加え、

①「早くおばさんのところに行きたい」

②「お土産の袋がぬれてしまう」

③「バス停には人が並んでいないから」

④「周りの人は、雨宿りをしているだけだと思ったから」

という反応が返ってきます。

 

①②③は、道徳みつけで

「おばさん」「お土産」「軒下」というキーワードが出てくるところで、

そこに何かしらの価値を見いだしているからです。

 

また、最後の場面では、

よし子は、お母さんの顔を見て、自分のしたことを考え始めます。

ここを読み取ると、よし子は、自分のしたことが悪いという判断が

まだできていないと考えることもできます。

これが④の反応に繋がります。

 

 

こういった読み取りができていることが、

「多面的・多角的」と言えるのはないかと思います。

 

資料を俯瞰的に読む力も付くと思います。

 

 

子供たちの道徳みつけの様子を見ていると、

なるほど!と驚かされることもあります。

 

その子の経験や、道徳読みの積み重ねによって、

教師も気付かぬような道徳を見つける子もいます。

 

子供ってすごいんです!!